□登場人物紹介□ 〜彦斎を取り巻く人々〜 



〜肥後藩〜

■河上彦斎:かわかみ・げんさい (1834〜1871)
□前編・後編・完結編

幕末四大人斬りの一人。
過激な尊皇攘夷思想を持ち、敵味方から恐れられた
通称「人斬り彦斎」
外見は小柄で痩せ型、声も小さく、内気な性格で、一見女性を思わせるような容姿だった。
しかしひとたび刀を持つとその身は冷徹な鬼と化し、開国論者の佐久間象山を白昼堂々斬殺する。
明治に入り、周りの同志達が開国派に傾いて行く中でも、最後まで自分の思想を曲げる事はしなかった。明治4年12月4日、政府を相手に尚も攘夷を唱える危険人物と見なされ、斬首に処される。

■宮部鼎蔵:みやべ・ていぞう (1820〜1864)
□前編

肥後勤王党の総帥。
彦斎の先輩同士に当たり、また彼の兵学の師であって
決して父子ではありません…
吉田松陰をはじめとする各地の傑物達と交流を深め、
勤王志士達のリーダー的存在となる。
元治元年6月5日、池田屋で同士約20名と密議中、新撰組の襲撃に遭い、敵の手にかかるぐらいならと自決。

勤皇父さん。


■太田黒伴雄:おおたぐろ・ともお(1834〜1876)
□完結編

熊本新開大神宮の神官。
林桜園から国学、神道を学び、多大な影響を受け尊皇攘夷運動に従事する。宮部鼎蔵や河上彦斎とは同門の親友。
維新後は自らも下級士族達を集めて国学や神道を講義し、敬神党を組織。明治9年、断髪令や廃刀令など、欧化していく日本を憂い宇気比により挙兵した。(神風連の乱)
熊本の鎮西鎮台を襲い、薩摩藩・種田司令官を斬殺するが近代兵器揃える新政府軍により、乱は一日で鎮圧される。
自身も銃撃により負傷し、法華坂の民家で自刃した。
誠実な人柄で、何よりも友人を大切にする人物だった。

■加屋霽堅:かや・はるかた(1836〜1876)
□完結編

熊本錦山神社の神官で神風連の副首領。
河上彦斎、太田黒伴雄と並び、林桜園門下の三強として知られる。
敬神党の代表として、肥後勤皇党に協力し共に尊皇攘夷活動に従事、河上彦斎らと行動する。
維新後、廃刀令に対し建白書を送るが、受入れられなかったのに憤り、神官職を解き神風連を率いて挙兵。激戦区だった歩営兵にて戦死した。
文武に優れた傑物。大変厳格な人物であったが、子供好きで優しい一面もあった。


〜長州藩〜

■久坂玄瑞:くさか・げんずい (1840〜1864)
□前編・後編

松下村塾生で吉田松陰の愛弟子。
性格はかなり激しく、外国人嫌いで、米使ハリスを斬ろうと
していた所を吉田松陰に捕まりそのまま入塾させられる。松陰のもとで猛勉強した玄瑞は、ライバルの高杉晋作と共に「松下村塾の双璧」と言われるまでの才を身につける。
松陰は塾生の中で玄瑞を最も可愛がり、妹の文を彼に嫁がせている。
イギリス公使館襲撃や、下関での外国艦隊への砲撃など、尊攘過激派リーダーとして戦い続るが、元治元年7月の禁門の変で会津・桑名・薩摩軍と激戦を交え、重傷を負い自刃。

■桂小五郎:かつら・こごろう (1833〜1877)
□前編・後編・完結編

西郷、大久保、と並ぶ維新三傑の一人。
長州藩のリーダー的存在で、倒幕に全力を注ぐ後輩達をひたすら(物陰から)支える・・・。
吉田松陰からは「う〜ん、才はあるんだけど度胸がないねぇ」との厳しい評価をくだされ、また実際刀を抜いて闘った事が無かったため(剣の腕は超一流だったにも関わらず)世間から「逃げの小五郎」という称号を賜ってしまった。
坂本竜馬の仲介で、大っっ嫌いな西郷隆盛と薩長同盟を結び、ついに徳川幕府を倒す。
その後は、「木戸孝允」と改名し、明治新政府首脳メンバーとして政治手腕を発揮するが、ひどくいじめられて政界から姿を消す。


■高杉晋作:たかすぎ・しんさく (1839〜1867)
□前編・後編・完結編

松下村塾生で吉田松陰の愛弟子。
とある桂小五郎の粋な計らいで上海見学に出かけるが、欧米の植民地と化した清国を目のあたりにし攘夷倒幕活動に奔走する。
禁門の変での長州軍敗北をきっかけに揺らぎはじめた藩論を、農民兵集団である「奇兵隊」を組織して勤皇一色に染め上げる。さらに長州軍最大のピンチとも言える第二次征長戦争では四方から押し寄せる幕軍をこの「奇兵隊」で打ち破り、スーパー長州男児の名を欲しいままにする。
しかし、生まれつき病弱な体に労咳を患い、明治維新を見ずに病死した。

■来島又兵衛:きじま・またべえ (1817〜1864)
□前編・後編

長州藩重臣。
藩主毛利敬親からの信頼も厚く、皆に「来翁」のニックネームで慕われる。
戦国マニアで武術好きの戦上手だが、算数も大好きという理系な一面ももっており、吉田松陰に「藩の財政は彼に任せておけば事足りる。」と評され、財務担当となる。
8月18日の政変で長州藩が京を追われた事に怒り、天皇にその処分の撤回を直訴しようと軍を率いて上京し、会津・桑名軍と戦うが(禁門の変)、御所にたどり着く一歩手前で突如現れた西郷隆盛率いる薩摩軍の鉄砲隊に撃たれて落馬。動けなくなったのを悟って自害。恐妻家。

■大楽源太郎:だいらく・げんたろう(1834〜1871)
□完結編

長州藩家老児玉家の臣。
月性、梅田雲浜、頼三樹三郎などに学び、師とともに早くから尊王攘夷活動に身を投じる。
学に秀でた文人だが激しい性格と強烈な思想の持ち主で、多くの天誅事件に関わり藩内で次第に孤立していく。しかし唯一心を許せた久坂玄瑞を通じて松下村塾グループとギリギリの繋がりをキープ。倒幕を成すが、方針を開国に切り替えた明治新政府の招きには応じず、故郷に帰り私塾を開いて思想教育に注力する。後に大村益次郎暗殺の嫌疑をかけられ久留米で斬殺される。友達ゼロ。


□登場人物紹介□ ステキなサブレギュラー達

■井上聞多:いのうえ・もんた(1835〜1915)
□完結編

長州藩士。常に松下村塾生と共に行動し倒幕を目指す。
ロンドン留学後、開国論を説き俗論党の襲撃を受ける。後の井上馨。金。

■伊藤俊輔:いとう・しゅんすけ(1841〜1909)
前編・完結編

松下村塾に学び高杉らと共に尊皇攘夷活動に奔走。
井上聞多とハワ…ロンドンに留学する。俗論党掃討、四境戦争等で活躍。
後の伊藤博文。

■神代直人:こうじろ・なおと(?〜1869)
完結編

防府大道の漁師の子。尊皇攘夷実現のため数々の天誅事件に関わる。
明治二年、大村益次郎を暗殺するが、その罪が大楽源太郎にまで及んで
しまったため自害する。

■吉田稔麿:よしだ・としまろ(1841〜1864)
□前編

松下村塾四天王。吉田松陰の意志を継ぎ、大いに尊攘活動に励む。
池田屋で新撰組に斬られる。

■真木和泉:まき・いずみ(1813〜1864)
□後編

尊皇攘夷過激派リーダー。元久留米藩の神官で禁門の変では主戦論者に
同調する。天王山で自刃。

■周布政之助:すふ・まさのすけ(1823〜1864)
□後編

長州改革派の長。吉田松陰・高杉晋作らのサポート役。
禁門の変を止める事が出来ず、自責の念にかられて自害。

■福原越後:ふくはら・えちご(1815〜1864)
□後編

長州藩家老。禁門の変の後の第一次征長戦を免れるため、切腹し幕府に謝罪。

国司信濃:くにし・しなの(1842〜1864)
□後編

長州藩の若き家老。禁門の変では御所まで迫り、奮戦したが敗退、
責任を取らせれ切腹する。彦斎はこの国司隊に加わり戦っている。


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